野党が突っ込むべきは、経済政策。それができなければ、自民党は安泰。
税収 2兆円下振れ 経済好循環戦略に影 昨年度当初比 予算編成にも制約 :日本経済新聞
安倍政権がこれまで高い支持率を保ってこれた最大の要因が、「経済」だ。
第一次安倍政権では、本来国民が最大の関心を持っていたそのアジェンダを重視せず、安倍さん自身の政治家としてのこだわりに固執した結果、約一年で終焉した(体調不良が公の理由ではあるが)。
第二次安倍政権ではその反省を生かし、「経済」を第一に考える政府として、「アベノミクス」を推進。経済の一定回復を実現した。(少なくとも外形的な指標において)
その成果を持って、安保法制の改正、憲法改正への道筋といった、安倍さんが政治家としての実現したいことを反対意見も受けながら、経済政策への期待による支持率を味方に、推進してきた。
与党や政府の失言などがあっても、支持率に及ぶこともなかった。
さて、政権を支える「アベノミクス」がだいぶ怪しくなってきた。
税収も減ってきた。
プライマリーバランスの黒字化も相当怪しい。
延期してきた消費税を上げることもできそうにない。
デフレ解消が最大のテーマだったが、その気配は見られない。
そこにきて、小池新党だ。
国政で考えた時に、政策的には、自民党と変わらないだろうが、劇場型で世論を巻き込んだ。
実に良いタイミングで。
他の野党、どうするか。
突くなら今だ。
ワイドショー的な話題の追求も、一面では必要だが、本丸は経済政策。
二面攻撃ができるかどうか。
本丸の経済政策を国民に示せる政党が出るかどうか。
それが出なければ、自民党は安泰だろう(安倍政権かどうかは別として)
やっぱり起業家が好き。
(Deep Insight)暴走ウーバー 革新どこへ 本社コメンテーター 村山恵一 :日本経済新聞
読み応えのある良記事だった。
業界、世界を変えるイノベーションを実現するには、とかく「変人」の力が必要だ。
しかし、ある程度その状況が作ることができたとき、それまでの「変人力」そのままに突き進めるかというとそうでもなくなる。
それが、ジョブズがアップルを一度追われたタイミングだった。
ウーバーのカラニックも今その時を迎えているという見方は可能。
再登板があるのか、ないのか。
あるとしたら、ウーバーが市場を追放される危機的状況の時。
シェアエコノミーという、新たな経済システムの台頭に大きな役割を果たしたウーバー。
このまま終わって欲しくないし、やはり起業した人がもう一度エンジンを吹き上げる姿を期待してやまない。
流れを読む力と自分の実力を知る力が政局を左右する
おごり・緩み、もろさ露呈 安倍1強 危機感薄く 保守層、都民フに流れる :日本経済新聞
こんなにもあっという間に「安倍一強体制」が脆さを見せるとは。
政治、政局というのは難しいですね。
これまでだって、何度も大臣や与党議員の不祥事、失言があったし、安保法制だってあったし。それでも選挙では強かった。
それは、「アベノミクス」があったからじゃなかろうか。
正確にいうと「アベノミクスへの期待」があったから。
しかし最近は、「アベノミクス」って言葉がメディアを通じて聞かなくなってきた。
安倍政権になってから四年くらいですか。
期待ほど大きく変わってなく、物価上昇も達成できず。プライマリーバランス黒字化もどうやら怪しい、消費税も曖昧。
それでも強引な手法で国会議論を進めるという状況。こういった背景で失言、不祥事疑惑。
猪瀬さんや舛添さんは、自民党でないけど、自民党寄りに見える中、自民党なのに自民党を敵にした、小池劇場。
すべてはつながり。流れ、時流がある。
それを捉えるかどうか。
流れを読む力。
そこに自分の実力を重ね合わせられるか。
さて、小池さんに対抗するのか、流れにのるのか。
反安倍の人たちの判断やいかに。
これからの安倍政権。「敵は味方のフリしてやってくる」を肝に命じておいた方が良さそうだ。
安倍1強 岐路に 自民、過去最低23議席 解散・改憲に不透明感 :日本経済新聞
選挙なんてのは、絶対的支持者層さえ押さえれば大丈夫って世界ではなく、どの政党を支持するか決めていない人たちをどれだけ囲えるかが最後の勝敗を大きく左右する。
国政では、旧民主党政権が大失敗し、その後も政党としての可能性を国民が感じることができず、その中で、アベノミクスが一定の経済的成果を上げていたことが、「自民党の方がまだまし」となり、安倍一強が続いているといって間違いないだろう。
その中で、経済政策の勢いが感じられなくなり、小池さんというベテランだけどこれまでの都知事像とは違った「実力のある新人」がトップに立った。
自民党が自滅する中で、大きな失点がない小池さん率いる政党の方が「まだまし」と判断した支持政党なし層が、今回の投票判断を起こしたということだろう。
小泉劇場しかり、やはり、一人のカリスマの存在は、局面を打開する際に大きな力となる。
その人に頼れば、「今よりはまだまし」になるという期待感を抱かせる。
さて、国政はどうなるか。
都民ファーストが国政に出るとなると、維新と同じ構図になるが、維新がイマイチ国政で伸びきらないのは、カリスマ的存在だった橋下徹氏が国政に出れなかったから。
小池さんも流石に都知事をオリンピックまでやめることはできないだろう。
となると、新たなカリスマが国政に名乗りをあげることが必要だ。
さて、このチャンス、誰が手をあげるか。
意外と、「敵は仲間のフリしてやってくる」。
安倍政権は、自民党の「中の人」をおろそかにしてはいけないだろう。
自民党の二回生議員は、っていうけど人数から考えた問題発生率で見た方が良いよ。
(2017都議選)都政置き去り空中戦 野党、加計問題など追及 :日本経済新聞
自民党の二回生議員が問題多発させてるっていうけど、議員の割合を見ると、どうやら3割は二回生議員のようだ。
【図解・政治】当選回数別の自民党衆院議員数(2016年12月):時事ドットコム
なので、人数割合的に問題発生させる数が二回生議員が圧倒的に多く見えるのは当たり前で、回数別の問題発生率で考えれば、どの層でも同じじゃないかと思う。
メディアが「二回生議員がダメだ」ってレッテルを貼るのはわかりやすいし、伝えやすいからだろうが、自民党自身が、「うちの二回生は、、、」って思っていたら危険だ。
いやいや、結構満遍なく問題出してるぜ、ってことになる。
二階幹事長の失言発生率も相当高いぜって。
誰かに責任を押し付けているようになったらおしまい。
組織の問題の本質を見誤ると、取り返しつかなくなる。
ICOがゼロってのは、やっぱり国家体質として「投資」の国ではないということだ、日本は。
結局、獣医学部を増やすと日本にどんな恩恵があるのか、ちゃんと説明してほしいんだよ。
内閣府、獣医学部新設「京産大も対象」 野党、矛盾と追及 政府、要件解釈は変えず :日本経済新聞
こりゃぁ、どう見ても、加計学園問題を棚にあげるための戦略変更にしか映らないなぁ。
大事なのは、日本の今、そしてこれからにおいて、獣医師を増やす意義、どんな社会的、経済的影響を生み出すのか、そのためにどんな対策が必要かを示すことであって、それが国民に何も伝わってこない。
これはマスコミの伝え方にも問題があるのかもしれないな。
野党だって、そこをしっかり主体的にわかりやすく示してほしい。攻め方として、首相の私的な意向をついているが、本質的な議論がこちらに全く伝わってこない。
もしやっていたとしてもそれが国民に届いていなければ、やっていないに等しい。
スキャンダラスな面の追求も時には必要だけど、本質的な議論、大人な追求を野党にはもっとしてほしいんだよな。