英国民投票は、経済ではなく感情としてのグローバル化に関する宿題だ。
(揺れる英国 6・23国民投票)「EU離脱」なら… 英分裂の火種 北アイルランド、国境管理強化も スコットランド、独立の機運再燃 :日本経済新聞
私が小学生だった頃、冷戦の終結を迎える前くらいだったか。
西側ヨーロッパは、「EC」という経済共同体が組成されていて、将来的にはもっとつながりを強めるみたいなことを学んだ。
当時はもちろんよくわからなかった。
EUになり、統一通貨のユーロができ、実際にヨーロッパに旅するようになって、国の行き来が自由にできること、通貨を変えずに済むことに、なんとなく、こんな感じってのが肌感覚でわかった。
ただ、経済的なボーダレス化は進んだが、政治的なボーダレス化はこれほどまでに難しいというのが、今の英国はじめ、ヨーロッパにはびこる現状だと思う。
経済か、政治か。
不可分ながらも、そこにはナショナリズムがはびこる。
言い換えれば、自分の居場所はどこか、ということ。
壮大な、平和的連合体の実験は、今、分岐点だ。
グローバル経済と言われて久しいが、環境としてはそうであっても、感情として、本当の意味でのグローバル化を追求すべきかどうかについて、考えるべききっかけが、今回の英国民投票なのだと思う。